150-200
抱きしめて、いつか壊れてしまうまで
誰かと近づき遠のく夜に
別れの日はすぐそこに
今はあたたかいこの手
いつかつめたくなってしまう日
「その日」が来ることの怖さ
臆病と呼ばれても構わない
あの雪の夜をまだ忘れられないでいる
どこかで誰かの声がした
暗い暗いまどろみの底
響くくぐもったその声
ひどく怖ろしいのに愛しい
「だれなの」と問い返すことさえ
わたしを呼び起こすあなた
その気持ちに偽りが無いのなら
どうか呼び続けてください
それこそ大事なひとの声
愚かな私が目を覚ますその時まで
あなたに感謝を繰り返すたび
卑屈な私は自分が惨めになりました
自分で自分を守ることがそんなに悪いことですか?
言えずにいた言葉をきれいに押し並べて
あの日を思い出にしようとは思いません
いつかあなたごと忘れられたらと願うばかりです
終わりの陽に見た夢は
始まりの日に見た夢に
奇跡の影に消えた平凡
君のことを忘れない
さようなら、いつかまた会う日まで
壊れかけのオルゴール
消えてしまえばいい(そうすれば追うこともない)
現在過去、それから未来に残した言葉
誰が居るの?どこに居るの?
誰も居ない空間がぽっかりと僕の居場所を奪う
いつか君のことを知りたいと思ったけれど
言葉にはしないよ、きみが消えてしまいそうだから
あなたと友達になりたいと思ったけれど
意気地なしだと思われるでしょう?
傷つくのが怖いのです、いつだって
誰かに笑われることが、それより想われることもずっと
それなのにひとりきりが怖いのです
弱い心、それしか持てないその弱さ
すべてが作り話に聞こえてしまうほど
ともだちが遠くて遠くて悲しくなって
なんて生きにくい世界でしょうか
怖くてたまらないと泣いてわめいているくせに
いずれ消えていく運命ですか?
この声など紛い物でしかないけれど
それでもこの音が誰かの癒しになるように
命尽きるまで謡って見せましょう