200-250


強く朽ちていくこの姿をその目に焼き付けて
わたしが消えてしまってもあなたが忘れないように
ガラス越しに見た花は割れ物のように小さくて
離れていく言葉が繋がらなくて焦れる
ただ少し願えることがあるとしたら
そしてうつくしく去り行く際に
そうしてここにすべてはかえる
鮮やかな音のある世界に立って
平穏な蒼を目に焼き付けて
自分ではない何かに触れて


満たされたかったことを知っていた
空っぽの僕はただ、それを認めることが出来なかっただけで
呼び声の消失(君のひかりが遠のいた)
何もない僕のかたちある抵抗
見て、聞いて、触れて、だけれどこのままさよならで
幸せな夢を見てください、どうか
何も言わないことがやさしさだと知った
(それなのに踏み込んでこようとする、君はいつだって、そうやって)
すべては現実、すべては幻、そしてそれはすべて真実
勇気と覚悟と少しの涙(さよならを言えなかった、君へ)


このまま言わない方がいいのかもしれない。それでも?
誰も困らせずに消えていく幸福の方法
手を伸ばしたらうっすらと滲んだ
残酷な、なんて残酷な世界
僕は綺麗な歌だけを聴きたいと願う
「悲しい顔をしたりしないで。僕は消えたりしないから」
分かりきった嘘を並べて心からの歌声を願う
いつかすべては過去になる
そうして何にも無かったように
消えていく僕の運命をまたどこかで誰かが憂う


泣きじゃくる、君の涙は雨のよう
すべてを知っても強くはなれない
きらめく星の影間を縫って
壊れ物のように笑う白の姫
それぞれの過去、それぞれの今、それぞれの未来
あの日綺麗だったこの空へ
もう二度と出逢わない約束
まだ振り向かないで、僕が消えてしまうまで
奇跡など無ければいい、この世界がすべて必然だったなら
壊れないように泣かないように


いつか君に出会えると信じて
せめてもう一度笑い会えるその日をください
それはいつかの花のように
甘く、狂おしく、ただ君に
エンドレス・ルービックキューブ
それでもあなたのことが大好きです、と
積み上げて消えた僕の世界
さよなら、特に伝えたいこともないけれど
繋がないで、離さないで、その心だけを
荒れた花園のその向こうで