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たくさんの物語の後に
この声は届いていますか?
ああどうか、助けてください
最後の願いは空にのせて
歌声とともに崩れ行く街
明日を迎えたいと望むことさえ
笑顔があふれますように
運を天にまかせて僕らは前へ進む
夢追う理由に言い訳を重ねた
風吹く時の揺れる雲は高く


この空の下に生きる者はすでに
鳥が飛ぶ朝はどこか切なくて
明日への道、昨日までの過去は
この夜に輝くのは星よりも暗闇
茜に染まる夕暮れは儚く
それでもこの世界は終わらない
思い出したい、でも思い出せない
あなたが心配でここまで来たのに
時を忘れられたらなんて
振り上げたこの手は彷徨うばかり


たとえ失敗作と呼ばれたって
生きていくことと死んでいくこと
蛇口をひねると哀しみが零れた
降り止まない雪を仰いで
これが最後であるように
研ぎ澄まされた夜の色
泣けないことがこれほど辛いなんて
音無し空間で呟いた言葉
好きと嫌いの不釣合い
形式的な君のごめんね


それでも僕は歩みを止めない
茜に染まるのは空か、それとも
捨てられないレシート
いつまでもこのままでいられたら
いつの日か描いた夢はどんな形をしていただろう
いつから僕はこんなに欲張りに
忘れようとして浮かんだ君の影
たった一言紡げたのなら
それでもあなたが大好きで
君は気付かずただ笑う


それでも僕は君を信じて
駆け抜けた君の隣
この感情が恋なんて
まどろみの渦中で
まっさらな荒野を僕は
僕の全てを君にあげる
何ならこの命を懸けて
紡いだひとひらの決意
傷ついてそれでも追いかけた
まだ幼い君の横顔